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e-Gov電子申請†

サービスの概要†

電子申請とは、現在紙によって行われている申請や届出などの行政手続を、インターネットを利用して自宅や会社のパソコンを使って行えるようにするサービスのことである。
名前は電子申請だが、届け出もできる。
何ができるのか？については2つの意味がある。

• 機能としてできること
  • 申請・届出
    各種手続きの申請書の入手、記入、提出を行うことができる。
    スマートフォンではできません。
  • 手続の検索
    利用可能な手続きを確認することができる。
    各種手続きに費用な様式・添付書類を確認することができる。
  • 処理状況
    提出した書類が受理されたかどうか確認することができる。
    提出した手続きの審査状況を確認することができる。
  • メッセージ通知
    審査結果等の状況を教えてくれる。
  • 公文書のダウンロード
    手続きが完了した際に発行される公文書を電子的に取得することができる。
    文字通りダウンロードできる。
    手続き上不備があった場合は、返戻された文書を確認することができる。
    必要な書類等を修正、追補したうえで再度申請を行う。

• 行政手続きとしてできること
  e-Gov電子申請に対応している手続だけである。全ての手続ができるわけではない。
  何ができるのかは検索してみないとわからない。
  実際、e-Gov掲載の手続数と手続検索で見つかる手続き件数は異なる。

  府省名（順不同）	件数	手続検索結果件数
  国家公安委員会・警察庁	1	1
  厚生労働省※	4,657	2,337
  経済産業省※	142	139
  国土交通省	196	195
  気象庁	6	6
  環境省	15	15

  厚生労働省は掲載件数の半分しかない。
  これは厚生労働省が意図する手続とe-Govの手続の間でなんらかの齟齬、例えば、複数の手続きが１つのe-Govの手続に集約されている、ということを意味する。
  ※件数とは、手続数とほぼ同じ意味と考えて良い。1つの手続きに新規・変更・廃止など複数の意味があったり、条件により様々な様式を複数添付することになる。
  ※厚生労働省には、中央労働委員会を含む。
  ※経済産業省には、資源エネルギー庁、特許庁及び中小企業庁を含む。

電子申請全体概要†

電子申請全体のサービス内容を把握できたので、次に電子申請に関連する各種組織と関連するサービスを含めた全体を説明する。
e-Gov電子申請を含むe-Govは１つのシステムではなく、関連する組織の提供する複数のシステムが連動してサービスを提供している。
・利用者向けのサービスを提供しているe-Gov
・利用者の認証（ログイン、ログアウト）を提供しているGビズID
・提出された申請・届出を実際に受理、審査、審査結果に伴う公文書の発行、返戻等を行う提出先（各府省庁（機構等）および各地域の地方局、事務所等）の個別の業務オンラインシステム等
・提出書類の真正性を証明する認証局

これらを手続きの流れを対応させた概要図を次に示す。

拡大図

すべてを理解することは必要ないが、個別の説明について理解するためには全体を把握しておくことが必要となる。

利用手順†

e-Gov電子申請の利用にあたって、必要な準備について記載する。*1

手順は階層されていて事前準備としてはかなり複雑である。
また、説明には一般の利用者には関係のない説明も多く、わかりにくくなっている。
全体が俯瞰できるように、かつ一般的な利用者を想定することでできるだけわかりやすくまとめて記載する。

パソコン環境の設定†

とりあえずインターネットに接続でき、ブラウザが使用できれば良い。
登録する予定のメールアドレスを持っていて、メールの受信ができること。

スマートフォンの準備†

必須ではない。
ただし、GビズIDを使用する場合など、利用条件により必須になる。*2
また、各説明ではスマートフォンを利用する前提になっているところがある。
スマートフォンが必要な場合は、必要なアプリを事前にインストールしておく。
メールアドレスとスマートフォンは、セットになるので、アカウントを複数人で使用する際は１台のスマートフォンを共有することになるので注意する。

電子証明書†

電子申請には電子証明書がほぼ必要である。
電子証明書は印鑑証明のようなもので、本人確認の方法として必要となる。*3
電子証明書は指定された認証局に申請して発行してもらう。
証明書の実物はファイル*4だったり、ICカード*5だったりする。
手持ちの運転免許証などの身分証明書を画像形式にしても使えないので注意する。

• 法人の場合
  基本的に登記所に登録してある法人は、電子認証登記所（商業登記認証局）から電子証明書を入手できる。
  • 電子証明書を取得するための専用のアプリケーションのインストール
  • 電子証明書発行申請に必要なファイルの作成
  • 電子証明書の発行申請
  • 電子証明書の取得（ダウンロード）
• 個人の場合
  個人の場合は、マイナンバーカードを申請するときに電子証明書を取得できる。
  こちらの手順は割愛する。

上記以外にも利用できるサービスはあるが、基本的に検討しなくてもよい。
利用できる認証局の一覧は次の通り。
認証局一覧

アカウントの準備†

• アカウントとは
  アカウントとは、e-Gov（ほとんどは電子申請）にログインするときに使用する「メールアドレス」のことである。
  アカウントの準備とは、２つの作業がある。
  • メールアドレスを登録してパスワードを設定すること
  • e-Govへメールアドレスを登録すること

• アカウントの種類
  e-Govで利用できるアカウントの認証方法は３種類用意されている。
  • e-Govアカウント：e-govでID、パスワードを認証するもの
  • GビズID:GビズIDで認証するもの
  • Microsoftアカウント：Microsoft社で認証するもの

作業を始める前にどのアカウントを利用するかをまず決める。

• 日本年金機構のサービスなどでGビズIDが指定してされている場合は、GビズIDを利用する。
• 既に持っている場合には、GビズID（またはマイクロソフト社の認証サービス）を利用してもよい。
• よくわからない、または他のアカウントを持っていない場合は、基本的にe-Govアカウントを取得する。

• アカウントの作成・準備
  アカウントを決めたらそれぞれ次の手順でアカウントの準備を行う。
  • e-Govアカウントの場合
    メールアドレスを指定して取得する。
    e-Govアカウントの取得*6
    • 仮登録
      メールアドレスを入力する。
    • メール確認
      入力されたメールアドレスに、e-Govから、アカウント本登録のためのご案内メールが届く。
      そのメールに記載のある、アカウント本登録用のURLにアクセスする。
    • 本登録
      e-Govへのログインに使用するパスワードを入力する。
      これでe-Govへメールアドレスとパスワードが登録される。

• GビズIDの場合*7
  既に持っている場合は登録は省略できる。
  • GビズIDを作成する*8
    迷ったらGビズIDプライムを登録して、必要な書類を提出する。
  • e-Govへログインする
    GビズIDをすでに持っている、または発行された場合は、GビズIDへメールアドレスとパスワードが登録されている。
    そのメールアドレスを使用して、e-GovにGビズIDでログインする。
    初回にログインする際に、自動的にe-Govへメールアドレスの登録が行われる。

• Microsoftアカウントの場合
  基本的にGビスIDと同じである。説明は割愛する。

ブラウザの設定†

ブラウザの設定を確認する。

• ポップアップブロックの解除
• 信頼済みサイトへの登録
  信頼済みサイトへの登録(Internet Explorer 11の場合のみ)
• XMLファイルのInternetExpolorerモードの設定(Microsoft Edgeのみ）
• ローカルファイルの設定(Safariのみ）

アプリケーションインストール†

e-Gov電子申請を利用するためのアプリケーションをインストールする。

• インストールプログラムの実行
• 使用許諾へ同意
• インストール先の指定
• インストールの実行

お疲れさまでした。
準備はここまでです。

申請・届出†

ログインと手続き検索†

• ログイン
  e-Gov電子申請のサイトからログイン、またはクライアントアプリケーションを起動してログインする。
  ログインする際には、e-Govアカウント、GビズIDなどのアカウントの種類を間違えないこと。

マイページまたは手続き検索による手続きの選択†

• 手続き検索
  手続き検索から手続き名や管轄の府省庁などの条件を指定して検索する。
  手続きを検索すると以下の基本的な情報が得られる。
  【例】

  検査に要した費用等の請求（非労災指定医療機関用） 検査に要した費用等の請求をするときに提出する。 電子署名必要 GビズID電子署名省略可

  合理化計画に係る指示及び命令並びに勧告の実施に必要な業務状況報告に対する回答（医政局　経済課） エネルギーの使用の合理化に関する法律第２５条第１項の規定により、主務大臣より報告を求められた事業者、その内容を主務大臣に報告します。 本手続において発行される公文書を電子的に取得することが可能です。 電子署名必要

  医薬品医療機器等業者コード登録／変更登録 医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器、体外診断用医薬品、再生医療等製品の業許可や承認にかかる申請・届出を行うために必要な業者コードの登録、登録した情報の変更登録が行えます。 GビズID電子署名省略可

  • 手続名称
    手付きの名称である。
    リンクになっていて、手続きの詳細を表示できる。
  • 手続概要
    手続きに関する簡単な説明が表示される。
  • アイコン
    手続きに関する重要な注意事項が表示される。

• 手続詳細
  【例】
  時間外労働・休日労働に関する協定届（本社一括届）（特別条項付き）

  手続概要	時間外・休日労働協定について、本社機能を有する事業場の使用者が本社所在地を管轄する労働基準監督署長に一括して届け出ることができる制度。（複数の事業場を有する企業が本社において一括して時間外労働・休日労働に関する協定（協定事項のうち「労働保険番号」、「事業の種類」、「事業の名称」、「事業の所在地（電話番号）」、「労働者数（満１８歳以上の者）」、「協定成立年月日」以外の事項が同一であるもの）を届け出ることができます。） なお、時間外労働・休日労働に関する協定の締結当事者の要件を満たさない場合には、当該協定は無効になります。令和３年３月２９日に申請様式及び一括届出事業場一覧作成ツールを改修しました。改修後は、協定の成立年月日、協定当事者に関する項目及び協定当事者の適格性に係るチェックボックスを申請様式に入力できませんので、これらの情報については、一括届出事業場一覧作成ツールに入力してください。また、同年３月２８日以前に公開されていた一括届出事業場一覧作成ツールは利用できません。再度ダウンロードしてください。※過去に作成したＣＳＶファイルを読み込み、不足項目を追記することは可能です。
  根拠法令	労働基準法施行規則第１６条第１項 労働基準法に関する本社一括手続方式の変更について 【時間外・休日労働に関する協定届及び就業規則（変更）届】一括届出事業場一覧作成ツール 一括届出事業場一覧作成ツールの利用方法
  電子申請方法別利用案内	【添付情報】書面による手続に関する情報の「添付書類・部数」欄をご確認ください。 【手続可能な時間】２４時間３６５日サービスしております。但し、年末年始、本システムの保守等が必要な場合は、上記ご利用時間内であっても、システム運用停止、休止、中断を行うことがありますので、あらかじめご承知願います。 電子申請に係る留意事項 PDF 時間外労働の上限規制　わかりやすい解説 PDF ３６協定記載例（特別条項） PDF ＜参考＞労働基準法関係主要様式ダウンロード(厚労省HP)
  告知情報	【手続対象者】法人、個人 【提出時期】時間外労働・休日労働を行う前。 【手数料（説明）】なし 【手数料（ＵＲＬ）】 【相談窓口】労働基準監督署 【審査基準】 【標準処理期間】 【不服申立方法】 【備考】 【別送情報】必要な書類は全て電子ファイルでご準備の上、電子申請を行ってください。 【備考】書面による手続に関する情報の「記載要領・記載例」は、電子申請システムにより手続を行場合も必ずご確認ください。

• 手続概要
  簡単な説明が記載してある。とても大事なので記載内容をきちんと確認する。
• 根拠法令
  手続きの元になる法律などが記載されている。とても大事なのできちんとメモすること。
• 電子申請方法別利用案内
  • 添付情報
    申請・届出を行う際に必要な添付資料に関する説明が記載してある。
  • 手続き可能な時間
    通常、いつでもOKと書いてある。
• 告知情報
  手続きに必要な説明が記載してある。詳細かどうかは手続きによる。
  • 手続き対象者
    手続きを行うべき利用者を記載してある。
  • 提出時期
    手続きを行う時期が決まっている場合に、一般的な業務運用に基づく提出時期が記載してある。
    わかりやすく説明する必要があるので、正確ではない場合もある。
    例　年度更新を想定した提出時期４月など（年度が４月開始でない場合は該当しない）
  • 手数料
    手数料納付が必要な場合は記載している。
  • 相談窓口
    手続きに関する問い合わせを行う場合の、問合せ先が書いてある場合もある。
    メールアドレスも電話番号も書いていない方が多い。
    管轄の各事務所のような記載は良い方で、提出先と同じといった事実上不明な記載も多い。
  • 審査基準
    なんか書いてある。ここに記載されている内容で基準が明確ではない。
  • 標準処理時間
    ほぼ記載されていないが、提出から終了までの期間（おおよその日数）のことである。
  • 不服申立方法
    提出した申請が不調に終わった場合の申立ての方法である。ほぼ利用することはない。
  • 備考
    補足説明だが、貴重なメモ欄のため、重要な説明が記載してある場合が多い。
  • 別送書類
    電子申請以外に書類等の提出が必要な場合の説明が記載される。
  • 備考
    備考欄が書ききれない場合の追記用に備考が追加されている。

各項目とも限られた文字数しか記載できないため、記載内容で手続きの内容を理解することはできない。
手続所管府省では、これらの各項目にリンクを記載することで各府省の公開ホームページ上へ誘導し、詳細な説明、記入様式、添付資料および記入例などの情報提供を行っている。
手続き検索の結果に記載された内容に頼らず、リンク先等を丁寧に確認することでスムーズに手続きを行うことができる。

• マイページ
  マイページからご利用になる手続を選択すると、申請届出様式の入力画面が表示される。
  定期的に同様の手続きを行う場合は、マイページのブックマークを利用するとよい。

申請様式の入力†

表示された申請様式に手続き検索の結果にしたがって入力を行う。

• 添付書類と提出先選択
  手続き検索の結果にしたがって必要な添付書類を添付する。
  電子的な添付であるため、添付の方法はいくつかパターンがある。
• 単に電子ファイルを登録するだけのもの
  リンク先に指定様式（別紙xxなどと記載）があり、ホームページからダウンロードして、必要事項を記入する。申請ファイルの添付として登録するもの。
• 指定様式または必要事項を記載したファイルを印刷、自署等を行い、電子化（画像ファイル）等を行ったうえで添付として登録するもの。
• どこからか入手したファイルを登録するもの。

• 電子署名
  提出に先立ち、申請書または添付ファイルに電子署名が必要な場合がある。
  あらかじめパソコンに登録した電子証明書を用いて、電子署名を行う。
  電子署名が必要かどうかは手続き検索で確認できる。
  【例】

  検査に要した費用等の請求（非労災指定医療機関用） 検査に要した費用等の請求をするときに提出する。 電子署名必要 GビズID電子署名省略可

  合理化計画に係る指示及び命令並びに勧告の実施に必要な業務状況報告に対する回答（医政局　経済課） エネルギーの使用の合理化に関する法律第２５条第１項の規定により、主務大臣より報告を求められた事業者、その内容を主務大臣に報告します。 本手続において発行される公文書を電子的に取得することが可能です。 電子署名必要

  医薬品医療機器等業者コード登録／変更登録 医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器、体外診断用医薬品、再生医療等製品の業許可や承認にかかる申請・届出を行うために必要な業者コードの登録、登録した情報の変更登録が行えます。 GビズID電子署名省略可

• GビズID電子署名省略可
  GビズIDでログインしているときは、電子署名が『省略』できる。
  基本的に『電子署名必要　GビズID電子署名省略可』を表示されている。
  e-GovアカウントやMicrosoftアカウントの場合は電子署名が必要なので、注意する。
• 電子署名必要
  文字通り電子署名が必要である。
  『GビズID電子署名省略可』が表示されていなければ、GビズIDでも電子署名が必要である。
  GビズIDでは電子署名は不要という情報が流布されているが間違いである。

• 個別認証
  提出時にe-Govから転送される提出先の各府省庁のシステムにて利用者の登録が必要な場合がある。
  （特定の事業者などといった、事前登録が必要なシステムなど）
  このような場合に提出先のシステムの認証システムの情報が必要となることがある。
  電子申請の提出時に提出先の認証情報として個別の登録番号等を用いて認証することを個別認証という。
  【例】

  医療経済実態調査（保険者調査） 医療保険の保険者の財政状況の実態を把握し、社会保険診療報酬に関する基礎資料を整備することを目的とする。 個別認証必要

提出†

申請書の記載内容や添付書類の有無等で形式的に問題がなければ、提出ボタンをクリックすることができる。
データの送信時にエラーがなければ、提出完了となる。

処理状況等の確認†

申請した手続の事務処理状況は、マイページからいつでも確認できる。
提出先機関からの通知等も、マイページ上へ通知される。
状況の確認はパソコンのほか、スマートフォンでも可能。

• ログインとマイページの表示
  ログインを行い、マイページを表示する。
• 案件の選択
  • 直近の案件
    マイページの『直近の案件』に申請した案件の一覧が表示される。
    ステータスが審査状況となる。
    ただし、審査中と完了のみのため、進捗状況を知ることはできない。
    一覧表の到達番号をクリックすると詳細が確認できる。

• 過去の案件
  案件一覧を確認する場合は、マイページではなく『申請案件一覧』から確認できる。
  有効期限があるので３か月以上前の案件は確認できないので注意する。
  一覧表の到達番号をクリックすると詳細が確認できる。

• 案件の詳細
  到達番号を選択すると詳細が表示される。
  ステータス以外に、到達時間、審査開始時間、審査終了時間、手続き終了時間を確認することができる。
  逆に審査開始から審査終了までの状況はわからない。

• 発信メール
  審査は数日かかるので審査状況をメールで通知を受け取ることができる。

手数料等の納付†

手続きによっては、手数料等が必要なものがある。
手数料等の納付を必要とする手続の場合、複数の支払い方法の中から、選択し納付する。
Pay-Easy対応の金融機関の場合、ATMやインターネットバンキングから電子納付をすることもできる。
【例】

公文書取得†

提出先機関による審査等の結果、申請が受理されると、公文書が発出される。
発出された公文書ファイルをマイページからダウンロードできる。
公文書の取得が終わると、手続は完了となる。
※手続によっては、公文書発出が行われないものもある。

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